三国恋戦記二次創作/初来訪の方はaboutをご一読ください
No.136
2011/10/10 (Mon) 23:59:59
※イベント終了まで、この記事がトップに来ます。
スペースNo か18
シールラリーも微少ながら参加させていただいてます。
【新刊】
・磐長哀歌 コピー/A5/48P ¥500
玄兄お相手の花孔明。玄徳×花孔明にしてもいいものかどうか。明るく……はないです。
ちょっと反三国志的な方向(別にどうでもいい背景)。自分の趣味。笑
・藍より青し コピー/B6/24P ¥100
お馬鹿な孔花。内容がないよう!という話です。姜維が出ています。趣味です。
【既刊】
・ギョウに泣く雀 コピー/A5/32P ¥300
外見は子ども、中身は大人、な文若さんの話。
ブログ掲載した「ギョウに~」及び「夕べに~」の台詞のみだった2本を加筆、大人に戻しました。ヤマがなければオチもないので、あらゆる意味でこころの広い方向け。
札にも記しますが、こういった内容が苦手な方はお気をつけください。
・花舞宴 コピー/A5/8P 無料配布
花の誕生日をネタにしたお約束のような公花。
以上、確定です。どうぞよしなにー
スペースNo か18
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玄兄お相手の花孔明。玄徳×花孔明にしてもいいものかどうか。明るく……はないです。
ちょっと反三国志的な方向(別にどうでもいい背景)。自分の趣味。笑
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お馬鹿な孔花。内容がないよう!という話です。姜維が出ています。趣味です。
【既刊】
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外見は子ども、中身は大人、な文若さんの話。
ブログ掲載した「ギョウに~」及び「夕べに~」の台詞のみだった2本を加筆、大人に戻しました。ヤマがなければオチもないので、あらゆる意味でこころの広い方向け。
札にも記しますが、こういった内容が苦手な方はお気をつけください。
・花舞宴 コピー/A5/8P 無料配布
花の誕生日をネタにしたお約束のような公花。
以上、確定です。どうぞよしなにー
【磐長哀歌】 玄徳+花孔明
「何を言ってもお前に聞いてもらえんと、伯約がずいぶん落ち込んでいた」
主君からの言葉に、今度は孔明が頬に手を添えてため息をついた。仕様のない子、とこぼしたのをとらえて玄徳は渋面を表す。
「あのな、孔明。お前、今が何刻だか気づいていないわけじゃないだろうな」
「え?」
「俺は孝直や機伯らと話し込んでしまったんだが、お前は違うだろう。こんな時間までいったい何をしていたんだ」
玄徳はそう言って腰を曲げ、床に広がっていた地図の上から駒をひとつ持ち上げた。指で挟んだそれを見、ぱちくりと目を瞬かせている孔明に目を移した。呆れの込められた玄徳の視線から逸らすように、ぎこちない動きで顔を動かした彼女は、そのまま夜空を見ることの出来る格子に目線を転じさせた。闇の帳に覆われてとっぷりと暗くなっている様子に、彼女は口元を引き締める。考えごとに集中しすぎて、灯りを減らすのを忘れていたようだ。
伯約が玄徳に言った内容によっては言い訳のしようもあろうが、聞かずともこれはかなり分が悪い。孔明は、こほん、と小さく咳払いをしてから居住まいを正した。
「申し訳ありません。少少、考えごとをしておりましたもので」
「俺も伯約も謝罪を求めているんじゃない。――わかるか?」
わずか数歩の距離を大股で縮めた玄徳は、彼女の拱手を解き、持っていた駒を彼女の手のひらに載せる。上体を戻した孔明は、仰ぎ見る主君の双眸に宿る、怒りにも似た色を見つけて肩をすぼめた。ゆっくりと視線を落とし、俯く影で唇を噛み締める。やってしまったかと無念が湧いた。
【藍より青し】 孔花
玄徳と同じく、回廊を往く孔明たちのことに気づいた女人たちは、今までの話題を中断させて新たな会話に移る。それは孔明と伯約のやりとりで、しっかり耳を欹てていた侍女たちが密やかに囁いていることだった。
「主にお前のことだと聞いたが」
「私もですわ。……人気者は辛いわねぇ? 花」
「う……嬉しくない……」
玄徳が穏やかに言えば、芙蓉が面白そうに口の端を上げて問いかける。二人の視線に晒された花は、肩を落として俯いた。
声高に弟子入りを申し立てて孔明に付き纏っている伯約の姿はだいぶん馴染みとなっているが、ここ最近では幼常もそこに加わりだした。孔明が困っているさまが良いといった面白半分でのことらしいが、真相は定かでない。
やるせないため息をこぼした花は、ちらと顔を上げて孔明たちを見た。……少し目を離した間に、彼の背後についている人数が増えていた。先の二人以外は文官のようだ。それぞれに書簡やら竹簡やらを抱えて、耳を塞ぐ孔明に何かを告げている。
ぞろぞろと列をなして回廊を進むその光景は、何だかカルガモの親子のようだ。花がぽろりとそう 言ったら、玄徳は噴き出し、芙蓉は目を瞬かせたのちに高らかに笑い声をあげた。
「何を言ってもお前に聞いてもらえんと、伯約がずいぶん落ち込んでいた」
主君からの言葉に、今度は孔明が頬に手を添えてため息をついた。仕様のない子、とこぼしたのをとらえて玄徳は渋面を表す。
「あのな、孔明。お前、今が何刻だか気づいていないわけじゃないだろうな」
「え?」
「俺は孝直や機伯らと話し込んでしまったんだが、お前は違うだろう。こんな時間までいったい何をしていたんだ」
玄徳はそう言って腰を曲げ、床に広がっていた地図の上から駒をひとつ持ち上げた。指で挟んだそれを見、ぱちくりと目を瞬かせている孔明に目を移した。呆れの込められた玄徳の視線から逸らすように、ぎこちない動きで顔を動かした彼女は、そのまま夜空を見ることの出来る格子に目線を転じさせた。闇の帳に覆われてとっぷりと暗くなっている様子に、彼女は口元を引き締める。考えごとに集中しすぎて、灯りを減らすのを忘れていたようだ。
伯約が玄徳に言った内容によっては言い訳のしようもあろうが、聞かずともこれはかなり分が悪い。孔明は、こほん、と小さく咳払いをしてから居住まいを正した。
「申し訳ありません。少少、考えごとをしておりましたもので」
「俺も伯約も謝罪を求めているんじゃない。――わかるか?」
わずか数歩の距離を大股で縮めた玄徳は、彼女の拱手を解き、持っていた駒を彼女の手のひらに載せる。上体を戻した孔明は、仰ぎ見る主君の双眸に宿る、怒りにも似た色を見つけて肩をすぼめた。ゆっくりと視線を落とし、俯く影で唇を噛み締める。やってしまったかと無念が湧いた。
【藍より青し】 孔花
玄徳と同じく、回廊を往く孔明たちのことに気づいた女人たちは、今までの話題を中断させて新たな会話に移る。それは孔明と伯約のやりとりで、しっかり耳を欹てていた侍女たちが密やかに囁いていることだった。
「主にお前のことだと聞いたが」
「私もですわ。……人気者は辛いわねぇ? 花」
「う……嬉しくない……」
玄徳が穏やかに言えば、芙蓉が面白そうに口の端を上げて問いかける。二人の視線に晒された花は、肩を落として俯いた。
声高に弟子入りを申し立てて孔明に付き纏っている伯約の姿はだいぶん馴染みとなっているが、ここ最近では幼常もそこに加わりだした。孔明が困っているさまが良いといった面白半分でのことらしいが、真相は定かでない。
やるせないため息をこぼした花は、ちらと顔を上げて孔明たちを見た。……少し目を離した間に、彼の背後についている人数が増えていた。先の二人以外は文官のようだ。それぞれに書簡やら竹簡やらを抱えて、耳を塞ぐ孔明に何かを告げている。
ぞろぞろと列をなして回廊を進むその光景は、何だかカルガモの親子のようだ。花がぽろりとそう 言ったら、玄徳は噴き出し、芙蓉は目を瞬かせたのちに高らかに笑い声をあげた。
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